Thermal conductive technology 放熱技術

高熱伝導シロキサンフリー放熱シート 【SifreeX-HL(シフリーエックス エイチエル)】

5G対応、AI、IoT・・・チップの高性能化がもたらす副作用、発熱。
より熱を逃がしながらも柔らかく。セキスイの新たな技術が社会の発展をリードします。

放熱材の使用方法と役割

放熱材とは

近年では電子部品の高機能化・小型化に伴い、
発生熱量・熱密度が向上しているため熱対策の重要性が高まっています。

放熱材は右図のようにCPUなどの発熱源と
ヒートシンクなどの放熱部品の間に使用されます。

CPUやヒートシンクの表面には細かい凹凸があり、
またいずれの部材も硬く追従性がありません。
従ってCPUとヒートシンクを直接接触させても十分に密着せず、
間には隙間が発生して接触面積が下がるため、
効率よく熱を放熱することができません。

そこで柔らかくて追従性があり、かつ熱伝導率の高い、
放熱シートに代表される放熱材をCPUとヒートシンクの間に
密着させることで、
接触面全体を活用して効率的に放熱することが可能になります。

放熱材の使用方法と役割

放熱材の構成材料と物性の関係

放熱材の構成材料

放熱材は柔軟だが熱伝導率の低い樹脂と、硬いが熱伝導率の高い熱伝導フィラーとの複合材料(コンパウンド)です。使用される樹脂はシリコーンやアクリル、エポキシ樹脂などが使用され、樹脂毎の特徴により柔軟性や耐熱温度などが異なります。
熱伝導フィラーには大きく分けて絶縁性と導電性の二種類があります。
絶縁性の熱伝導フィラーはアルミナや酸化マグネシウム、窒化アルミや窒化ホウ素などの無機セラミック材料です。導電性のフィラーは炭素繊維や黒鉛などのカーボン系材料です。
カーボン系材料の方が高熱伝導率を向上させやすい一方で、材料が導電性を有するためにショートなどのリスクがあるため、電気的に高い信頼性を求められる場合にはアルミナや窒化ホウ素などの絶縁性の熱伝導フィラーが好まれます。

放熱材の構成材料

熱伝導フィラーの充填量と熱伝導率の関係

樹脂と熱伝導フィラーの熱伝導率には約100倍以上の差があるため、放熱材の中の熱は主に熱伝導フィラーの接触点を経路として放熱されます。従って熱伝導フィラーの充填量が高い放熱材は接触点・放熱経路が増えるため高熱伝導率となりますが、一方で硬い熱伝導フィラーの充填量が増えることで柔軟性は低下するため、一般的に熱伝導率と柔軟性はトレードオフの関係となります。
熱伝導率が高くても柔軟性が低く硬い放熱材の場合、CPUやヒートシンクとの密着性が悪く、界面での熱抵抗が高くなるためにその放熱性が十分に発揮されない可能性があります。また圧縮時の応力が高くなることで電子部品や基板に不良を及ぼす原因にもなるため、高熱伝導率と柔軟性を両立させる製品設計が重要となります。
このトレードオフを打破するための一つの手法が、異方性フィラーの配向を制御して少ないフィラー量でも効率的に放熱経路を形成することです。
積水化学ではコア技術である成形加工の技術を活用し、異方性フィラーの配向を制御することで、10Wの高熱伝導率と柔軟性を両立させた放熱シート、【SifreeX-HL】を開発しました。SifreeX-HLは高熱伝導率と柔軟性の両立に加え、独自の配合設計技術で絶縁性・シロキサンフリー・低アウトガス・低誘電率の特徴も兼ね備えており、電子部品への不良リスクの低い高信頼性を有する放熱シートです。

放熱材内部での放熱イメージ図

放熱材の種類

放熱材の種類とは

放熱材にはその形状や特性毎に大きく分けると、シートタイプ、パテタイプ、グリースタイプの三種に大別されます。
ご使用の用途や求める物性に応じて最適な放熱材を選択することが重要です。

  • シートタイプ

    シートタイプ

    シートタイプ

    機械強度が高く、組付け時などのハンドリング性に優れる。

    使用する熱伝導フィラーの電気特性により絶縁性と導電性の放熱シートが存在し、絶縁性放熱シートはショートリスクがなく高信頼性に優れ、
    導電性放熱シートは熱伝導率に優れる。また異方性フィラーを用いた場合は成形加工により配向制御することが可能。


    絶縁性熱伝導フィラー例: アルミナ、窒化アルミ、窒化ホウ素など導電性熱伝導フィラー例: 炭素繊維、黒鉛など

  • パテタイプ

    パテタイプ

    パテタイプ

    柔軟性に優れ、発熱源への応力負荷低減及び凹凸などへの追従が容易。

    圧縮後に回復性がない。

  • グリースタイプ

    グリースタイプ

    グリースタイプ

    塗布後に硬化する硬化タイプと硬化しない非硬化タイプが存在する。

    熱伝導率はシート、パテタイプと比較し劣るが、薄膜対応、柔軟性に優位性有。

    ディスペンサーによる自動化対応が可能

積水放熱材 SifreeX-HL(シフリーエックス エイチエル)のコンセプト

SifreeX-HLの特徴

SifreeX-HLの特徴

  • 高熱伝導率

    7W/mK
    10W/mK

  • 優れた柔軟性

    750〜
    1,400kPa

  • 優れた絶縁性

    4.7〜
    5.6kV/mm

  • シロキサンフリー

    低アウトガス

  • 低誘電率

    Dk=4
    @20GHz

SifreeX-HLの用途例

SifreeX-HLは高熱伝導、柔軟、絶縁、シロキサンフリーの特徴を生かし、高い信頼性の求められるADASカメラやHDDの高性能化と信頼性向上に貢献します。

SifreeX-HLの用途例

配合設計技術

独自配合で高熱伝導率、柔軟、絶縁、シロキサンフリー、低誘電を実現

配合設計技術

フィラー設計&制御技術

成形技術で異方性フィラーの配向を制御し、
低フィラー充填量でも放熱経路を効率的に形成することで、高熱伝導率と柔軟性を両立

フィラー設計&制御技術

他社シロキサンフリー絶縁放熱シートとの性能比較

SifreeX-HLは独自の配合設計技術、フィラー制御技術を活用し、高熱伝導率と柔軟性を兼ね備えたシロキサンフリーの
絶縁放熱シートです。7W, 10Wという高い熱伝導率を有しながら、他社5W以下の放熱シートよりも優れた柔軟性を示します。

他社シロキサンフリー絶縁放熱シートとの性能比較

積水放熱材 SifreeX-HL(シフリーエックス エイチエル)のメリット

1 高熱伝導率

高熱伝導率による熱源の温度低下効果

高熱伝導率が求められる理由とは?

高熱伝導率な放熱シートを使用することで放熱のボトルネックを解消し、CPUなどの発熱源から効率的に放熱することで、
CPUの温度を低減することが可能になります。
下記では簡易的なシミュレーションモデルを用いて高熱伝導率による放熱効果を検証しました。
3, 5, 10W/mKという三種の熱伝導率の異なる放熱シートを用いた結果、
より熱伝導率の高い放熱シートを用いた系では効果的に放熱され、CPUの最大温度が低下することが確認されました。

シミュレーションモデル
シミュレーション結果

SifreeX-HLのメリット: 高熱伝導率

積水化学では実際のモジュールで使用した際の実性能に最も近いとされる、
ASTM D5470に準拠した手法にて熱伝導率、熱抵抗値の測定を行っております。
積水化学が開発した放熱シートのSifreeX-HLは、他社の放熱シートと比較して低圧縮率から低熱抵抗値(=高い放熱性)を実現しています。

シロキサンフリー絶縁放熱シートの圧縮率毎の熱抵抗値

積水放熱材 SifreeX-HL(シフリーエックス エイチエル)のメリット

2 柔軟、低圧縮応力

低圧縮応力による電子部品への負荷低減

放熱材に柔軟性が求められる理由とは?

放熱シートはCPUなどの電子部品と、ヒートシンクなどの放熱部品との間に設置されます。
放熱シートを設置・各部品に密着させる際、放熱シートは一般的には20~50%程度圧縮されて
使用されます。そのため圧縮時の応力が高い場合にはCPUへの負荷の増大、
基板の反り、ハンダクラックなどが生じてデバイスの不良の原因となる可能性があります。

SifreeX-HLは圧縮時の応力が低いため、アッセンブリ時のCPUへの負荷低減、
基板の反りやハンダクラックのリスクを低減することで、デバイスの信頼性向上に貢献します。
また圧縮時の応力が低く、高圧縮率まで圧縮可能なため、より大きな組立部品公差の吸収が期待
されます。従って、組立公差が大きい場合や、多数の部品を積層するデバイスにも対応可能です。

圧縮応力による電子部品の不良イメージ

SifreeX-HLのメリット: 柔軟、低圧縮応力

硬度ではなく圧縮強度を指標とする理由

放熱シートの硬さは硬度で議論されることが多いですが、硬度は放熱シートの表面数%圧縮に相当する硬さの指標であり、実際にデバイスに使用する際の20~50%程度圧縮した際の応力とは異なる可能性があります。
従って当社では、実際のデバイス使用時と同じ20~50%圧縮した際の応力である圧縮強度を柔軟性の指標としております。

熱伝導率と圧縮強度の関係

一般的に放熱シートの熱伝導率を向上させるためには、
硬い熱伝導フィラーの充填量を増やす必要があります。
従って熱伝導率が高くなるにつれ、圧縮応力(=電子部品への負荷)も高くなります。
SifreeX-HLはフィラーの配向制御を活用することで高い熱伝導率にも関わらず、
5W以下の放熱シートより低い圧縮応力を実現しています。

硬度一覧
圧縮応力曲線

積水放熱材 SifreeX-HL(シフリーエックス エイチエル)のメリット

3 シロキサンフリー、低アウトガス

シロキサンフリー、低アウトガスにより接点障害、レンズ曇りのリスクを低減

低分子シロキサンによるリスクとは?

揮発性の高い低分子シロキサンガスは熱により絶縁体の
二酸化ケイ素(SiO2)となり、接点障害を引き起こすリスクがあります。
SifreeX-HLはシリコーンフリーなので低分子シロキサンガスの発生がなく、
接点障害のリスクがないことがメリットです。

シロキサンガスが引き起こす接点不良

アウトガスによるリスクとは?

放熱シートにはベースとなる樹脂や可塑剤、添加剤から揮発成分(アウトガス)が発生します。放熱シートの使用環境下で発生したこのアウトガスが外気で冷えたカメラモジュールのレンズ等に付着・凝縮し、レンズを白く曇らせる現象をフォギングと言います。ADASカメラなど高い信頼性を求められるデバイス等ではこのフォギングにより視認性が低下するため、低アウトガス・低フォギングな放熱シートが重要となります。

アウトガスによるリスク

SifreeX-HLのメリット: シロキサンフリー、低アウトガス

SifreeX-HLはシリコーンフリーなので、揮発成分に低分子シロキサンを含まないことが特徴です。
また独自の配合、成形プロセスによりアウトガスの総量も少ないため、揮発成分によるレンズ曇り(フォギング)のリスクも低いため、
高い信頼性が求められるカメラアプリケーションなどに適しています。

シロキサンフリー、低アウトガス

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